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インバウンドとデザイン

インバウンドと日本のデザイン

どうも、プロトタイプデザインです。

 

昨日案件の現調で奈良(奈良公園らへん)行ってきたのですが戻ってますねぇ、海外旅行者。

噂によると京都が混むのわかってるし、バス移動大変なので予め奈良に狙い定めてきている外国人旅行者の方が増えているというのを聞きますが、この海外旅行客の増加に伴ってインバウンド向けの店舗だったりビジネスの計画というのをちらほら聞くようになりました。

今から奈良で動き出す案件もそうなのですが、インバウンド向けの店舗を計画する際に僕が重要だなと思っている点と、昔とちょっと変化してきたなと思う点をいくつか話そうと思います。

 

まずいろいろ戦略を練る前にはじめに気にしておきたいところ。

それは「インバウンド客のみをターゲットに絞るのか、日本人客もターゲットにするのか」というところです。

もしインバウンド客のみをターゲットにするのであればこの後僕が話すことはそのまま実践していただいてもいいと思うのですが、もし日本人客も取りたいと考えるのであれば日本人客にもその店で商品やサービスを購入していただく必要性がでてくるのでハードルが上がります。外国人旅行客に人気のある『勝牛』さんは日本人に日常使いをしてもらう為に、期間限定メニューでは鰆カツなど季節感のある食材を使った限定メニューを提供しています。

 

また、食材だけでなくサービス内容もある程度日本の飲食業界文化に慣れている人を想定するか、全く理解していない想定で客動線を組むかを考える必要が出てきます。

例えば、日本では当たり前に飲食店で見かける『券売機』ですが、外国人旅行客にとってはどうやって利用するかわからない方が多いでしょう。

券売機を設置するということは『受付』というサービスを省略する前提でサービスを組むことになると思うのですが、何もわからず案内がされることを待つ旅行客が出ると券売機があるにも関わらず案内に人員を使う必要が出てくるわけです。

これは想定外の無駄な出費と想定外のサービス動線の修正が必要になってきます。こういった無駄が起こらない為にも最初のターゲットの設定が大事になってきます。

 

次にデザイン計画的な面で必要だと考えること。それは『日本らしさないし、その観光地らしさを感じるデザインであるか』です。

例えば、韓国に旅行に行ったとしましょう。韓国に旅行に行くと言う事は韓国らしさを堪能しに行ってるわけですよね?

街を歩いていて日本でも見かけることができる業態、デザインだとその店を選ぶ優先度は落ちます。お腹が空いたとはいえ吉野家ソウル店があったとしても流石に入ろうかとはならないですよね?

逆を返せばインバウンド向けのお店は「日本らしい食べ物。日本にしかない食べ物。日本らしいサービス。日本的なデザイン。」これが必須になってきます。

かと言って勘違いしてはいけないのは、日本らしいデザインだからといって日本家屋のような、料亭のような昔ながらのデザインがウケると言うわけではないです。

外国人の方が普段見ることがないような、日本で生み出された日本的なデザイン表現であればOKだと思います。

なので最近の大衆居酒屋のように大きな暖簾がかかっていたり、シンプルなデザインだが土壁のような左官が使われていたり、最近の日本に対しての印象で言えば「サイバーパンク的な要素」もあると思うのでプロジェクションマッピングなどの映像を用いるような日本的でありながら先進的でおしゃれと感じるようなクォリティはあるべきだと思っています。

 

その中で「日本らしい食べ物」というところに関してはこれに限ることではなくて、逆にハンバーガーショップやカフェのような外国人の日常生活に当たり前にあるものが日本的なデザインで表現されることもインバウンド向け店舗の一つの戦い方だと思います。

スタバなんかは世界的に馴染みのあるブランドでありながら京都や観光地に入っている店舗は日本的なデザインの店舗が多いです。

これは異国の地にたどり着いた外国人の方々も、常に馴染みのない食べ物ばかり食べ続けるのは次第に苦に感じてきます。

そんな時に馴染みのあるメニューを、その土地でしか見れないデザインの店舗で食べれるのならこれこそ旅の醍醐味というものでもあります。

 

そういう狙いでもこの戦略も一つの戦い方だと思います。

 

今回はインバウンド向けの案件が始まるにあたって、インバウンド向けの店舗を計画する際に考えておきたいことを話しました。

 

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